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【ビジネス教育】はじめてのOJT・後輩育成・マネジメント

【ビジネス教育】はじめてのOJT・後輩育成・マネジメント キャリア
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新人
新人

まだ自分のことで精一杯なのに、はじめての後輩ができてOJTをやることに…

先輩
先輩

「教えることは学ぶこと」とも言いますが、貴重な経験になるので以下参考にしてみて下さい。

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なぜあなたが選ばれたのかを考えてみる

急なOJT担当や後輩育成担当を任された場合、なぜ選ばれたのかを考えてみていただきたいです。(直接上司や人事に聞くと「嫌なのか」とか「面倒臭がられている」と思われてしまうので、うまく引き出す必要がありますが)細かいルールや進捗管理をすぐ相談できる役として、同じ部署で席が近かったからというのもあるかもしれませんし、あなた自身のマネジメント能力を伸ばす目的かもしれません。

OJT研修やフォローアップがある会社もあれば、いきなり配属でOJT任せられるという会社もありそれぞれですが、世話役としてだったり、将来幹部育成としてだったりと目的もそれぞれかと思います。いずれにせよ今後のあなたのキャリアの中ではまたとないチャンスだと捉えて取り組んでいただきたいです。

良い習慣を身につけさせる

人が新しい習慣を身につけるには66日間必要で(UCLの調査より)、4月入社社員であれば7月の初旬までかかることになります。また人間が複雑なスキルを習得する時間はおよそ10,000時間と言われておりますが(今では懐疑論もありますが、労働時間換算で5年)、習得に際して最初の20時間がとても大事であるという研究もあります。

最初の20時間 — あらゆることをサクッと学ぶ方法 | ジョシュ・カウフマン | TEDxCSU

新卒の場合、学生時の生活のリズムを社会人の時間に調整することや仕事を行うというルーティンを作る4~6月は今後の方向性を決める大事な時期であると同時にストレスでもある期間になりますので、ちゃんと寝れているか(プライベートなので直接聞けないことですが)、服装に乱れがないか、メモをきちんと取れているかなどに気を留めていただきたいです。

会社によってはずっと人事付けの場合もありますが、配属してOJTをする頃は座学で学んだことを実践化して紐づけができるかどうかを試す時期になります。気負いすぎたり、急な現場で混乱することもあるのでケアをしながら、習ったことを復習できる時間(会社によっては日報など)があると良いです。

業務の目的を伝え、考えさせる

研修の中で座学から実業務になった際、そのギャップに困惑したり、いま何をやらされているのかわからないという状況が必ず生まれます。もちろん自分で気づければ良いのですが「何のためにこの業務をしていて、その業務は全体のプロセスの中でどの位置づけであって、次にどうなっていくか」という目的とプロセスを伝えていただきたいです。勘がよさそうだなと思う人であれば、質問形式で考えさせて問答する形で教えていけるとより良いです。

この後輩に教えていく中で、あなた自身がその業務について言語化することでより業務理解が深まるのと同時にマネジメントで重要な「人に動いてもらうこと」を覚えることができるようになっていきます。大日本帝国元帥海軍大将であった山本五十六の格言に「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」とあるように人に動いてもらうことにはステップやスキルが必要になるので、マネジメント研修には以下の本が良く使われます。名著なのですが、例が細かすぎるのでリンクから目次だけでもご覧になって下さい。

暗黙の社内ルールを教える

新人ならではの空回りは恒例行事かもしれませんが、研修中に職場のトーンとマナーを教えてあげて欲しいです。著者は私服で自由な会社もあれば、ネクタイ着用義務の会社も経験しているのですが「お疲れ様」ではなく「お元気様です」という会社もあるほど、まちまちです。特に飲み会での立ち振る舞いなどは会社の文化が色濃く出る場かと思います。

基本的には「取引先」と同調できるレベル感に設定していると思うのですが、服務規程で言語化はしていないと思うので、先輩としてご指摘いただきたいです。爪や靴を清潔に保つというだけでも色々な解釈ができてしまいますので「その爪の長さだとタイピングが遅くなってしまっているから」「そのサンダルだと取引先との急な会食があった際にお店に入れないから会社に革靴を用意しておいて」など合理的な理由をつけるよう心掛けてみて下さい。

また社内の備品の使い方や経費精算含め「どの部署の誰にどのように依頼すればよいのか」についても一度は同伴して示してあげて欲しいです。誤って失礼な物言いをしてしまうことも「新卒なんだな」とわかっているのとそうでないのではだいぶ印象が違うので、日常的に依頼が発生するような部署であれば挨拶回りなど面通しをしておいたほうが今後円滑に業務が進みます。

ミドルマネジメントの実践

ここからは少し難易度が高くなってくるのですが、新人の先輩としてあなたの上司や部門長との間のミドルマネジメントが求められます。他の先輩や上司からの叱責や不機嫌になるポイントを抑えつつ、そのかわし方やいなし方を自らも実践しながら、新人にも教えていく形になります。数値達成への向き合い方(具体的な行動への落とし込み)や報告の仕方、未達見込みの場合どのような代替案があるかなどが具体例になります。

研修期間後は新人には細かい成功体験を積ませることで、業務の一連の流れを教えつつ達成感を味わわせていくことが必要になってきます。その中でつまづくことや指摘しなければならないことも多くあるかと思いますが、その際はなるべく早いうちにクローズドなスペースで対応するよう心掛けて下さい。指摘に対してあまり反応がない場合は、詰問ではなく質問をして自ら答えを導いてもらうことも教育として必要になります。

会社の階層として新人に一番近い立場として、上述のような上司とのハブとなるよう「心理的安全性」を確保してあげて欲しいのですが、体調不調の兆候があれば人事や上司への報告や橋渡し役をしていただきたいです。この「心理的安全性」は周囲の協力が必要で、挑戦や失敗の許容ミスのリカバリー策をチームの財産としてさらなる後輩に受け継いでいくことがポイントで、怒号飛び交うピリピリした現場とは反対に自尊心を傷つけない快適に働ける環境作りが重要になってきます。

著者は心の不調は医師の診断を促すことをすすめていたのですが、現場からは「医者をすすめる」=「あなたは病気だと思う」と言っているのと同義と捉えられるのでハードルが高いと拒否され、結果人事からさらに産業医を通じて医師への受診をすすめる流れにした経験があります。

以下動画は、是非職場上司に知ってもらいたい精神医学の話になりますので、ご参照下さい。

社員が突然辞めるのを防ぐ方法、職場上司・人事が知るべき精神医学

無理だと思ったら他に頼ってよい

色々と書き連ねましたが、ご自身もプレイヤーとして1人前になる前の時期だったりするとより厳しく、後輩を先に帰らせた後にやっと自分の仕事をするみたいなサイクルになってしまうと自身の首を絞めることになってしまいます。そのような事態になる前に人事、他のOJT担当、同僚、先輩、上司への相談をして、上述の通りチームで育てていくような空気を醸成するようにしてもらえればと思います。

新人がうまく育つかどうかの責任を負うのはあなただけではないので、抱え込まず他に頼っていくことで好転することも多々ありますので、ご無理はなさらぬようご自愛ください。

教育にゴールはないことを自覚する

あくまで著者の経験則なのですが、このOJTや後輩育成を通じて、会社の研修システムの改善が必要として具体策を提言するのはとても良いことなのですが、急な開眼で教育専門の人になったり、社内教育部門を作っていきたいと言う人が出てくると「言い出した人の成長が止まる」「大企業病になる」兆候として捉えていました。

どんな良い外部研修を揃えても、決まった少数の方しか使わず、無理やりカリキュラムを詰め込んでしまい目的を見失うケースも多々あります。1~100まで全て教育システムに乗せることは不可能ですし、今ある業務は今後もやり続けられるのか(業界産業的、少子化、人を介す)という意味でも教育には究極的なゴールがなく、顧客との接点や業界で起こていることに耳を傾けられる現場が一番大事ということを心に留めておいていただければと思います。

以上、あなたのキャリア形成の一助になれば幸いです。