同期入社の人がもう係長だったり役職がついている人がいて。。。でも先輩見ているとあまり昇進したくない気持ちも…
昇進目指す方もそうでない方も、決まり方や目指し方の例を見ていただけるとメリット/デメリットがはっきりすると思うので、解説していきますね。
出世したくない若者が増えている?
株式会社クロス・マーケティングによる20歳~39歳の男女を対象とした「若手社員の出世・昇進意識に関する調査」によると15.8%の方が「出世したくないと思っている」と回答し「できれば出世したいと思っている」の28.8%「絶対に出世したいと思っている」の12.0%に対して、おおよそのニュースサイトは「出世したがらない若者」として取り上げているのですが、著者は確かに肌感としては出世欲は減っているなと思いつつ、あまり「こだわっていない」の43.3%となっていて、2015年のデータで推移データではないので「出世したくない若者が増えているわけではなく、多数がこだわっておらず、出世したいと答えた若手も40.8%いた」と読むのが正しいと感じています。
空洞化現象
一般的には最小部隊の部下人数は5~7人が望ましいとされていて、三階層でメンバー49名+リーダー7名+トップ1名の57名編成のように、三階層31~57名で部課制(課長と部長がいる)となっている会社が多いのではないかと思われます。一方、内閣府調査にあるとおり、団塊世代の定年退職による生産年齢人口の減少、就職氷河期世代の非正規化によって、組織として中間管理職層の空洞化が懸念されます。もちろん、定年後雇用や外国人雇用者や育児復職支援によって生産年齢人口の支えはできてくるものの、マネジメントはより難しく、組織フラット化(「副」や名目役職の廃止含め)しつつ、多様な働き方をする人材を組織だけでなく、プロジェクトにおいてもマネージする人材が求められてきます。
出世したくない理由とは
出世したくない理由としては、おおよそこれらのことが理由として挙げられています。
- ワークライフバランスのとれた生活をしたいから
- 責任の範囲が広がるのが嫌だから
- 出世しても給与・年収がそれほど上がらないから
- 競争したくないから
- 仕事自体の意欲がないから
- 現場に居続けたいから
その他、出産を控えているから、傷病を抱えているからなど様々かと思いますが、先輩上司の働き方があまり良い例になっていないのではないかと思います。
名ばかり管理職、管理監督者の要件とは
気をつけて欲しいのは、出世したくない理由の中にある「給与・年収がそれほど上がらないから」のところで、管理監督者や裁量労働の対象とすることで残業代削減したり「責任範囲が広がるのが嫌」の裏返しで個人だけでない部目標連動給与になることで、人件費を削減しようとする会社があるのは事実かと思います。超過残業が多すぎはそれ自体は問題なのですが、超過残業が多い人から名ばかり管理職にすることで役職手当<残業代とさせる悪質な手口もあったりします。
「管理監督者」は労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者をいい、労働基準法で定められた労働時間、休憩、休日の制限を受けません。「管理監督者」に当てはまるかどうかは、役職名ではなく、その職務内容、責任と権限、勤務態様等の実態によって判断されます。
参考(PDF):厚生労働省「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために」
というように経営者と一体的な立場にあって、時間にしばられず、責任分報酬がある必要があって、そうでない会社は違法性があるので、人事や経営側が是正をする必要があり、もしそのような立場の方でしたら所轄の労働基準監督署に勤務実態と給与明細とともに提出していくのも手(内部通報制度を使っても良いですが、不利益になる可能性も否定できないので)です。
昇進をなぜ目指したほうが良いのか
やりたくない理由と近しい部分ではあるのですが、以下がメリットになります。
- 責任が増える分、自分がやりたいようにやれる裁量が増える
- 年収が増える、転職に有利に働く
- 人に働いてもらえる
よって、ワークライフバランスを取りたければ、そのようなマネジメントができるように調整したり、現場が好きなのであれば半分は現場に出るなど自身の裁量で決めていけばよく、前例を踏襲する必要は必ずしもないと思います。また年上だったり、中途だったり、外国人だったり、時短社員だったり、派遣社員だったり、やる気が見られない社員だったり、様々なバックグラウンドを持つ関係者をまとめていく必要があるので、個々の意向を尊重しつつ、ボトムアップにするところとボトムダウンにするところのメリハリがあるマネジメントが求められます。何より部下を育成して育ったり、自分よりスキルが高い人に働いてもらうことで、掛け算の成果を産むことができ、自分だけでは味わえない達成感を味わうことができるので、自分の理想な働き方をしたければその環境を自ら作れるポジションを目指していくことをおすすめします。
どうやって目指すのか
先に自動的に空洞化されていくのはマクロの話になるのですが、ミクロでは上司の定年退職や役職定年を待つのではなく、以下のことをポイントに昇進昇格を目指していって欲しいと思います。
- 上司にどうやったらなれるのか聞く
- 後輩を育て、仲間を助け、部署達成に貢献し、上司を出世させる
- 他部署や取引先との関係を良好にしておく
- 上司の上司の視座を持つ(上司の上司が代表取締役を超える場合は、株主の視座)
- 現組織の問題点や自分の理想を書き溜め、いつでも拝命できる準備しておく
以前「年収アップのためにやってみて欲しいこと」では人事制度の理解、時流を掴む、評価をされやすくすることをすすめており、昇進昇格の際にも重要なことなので、ご一読&ご実践をお願いします。兼務や兼任が多いようなせっかくポストが空いているにも関わらず昇進していないのは、人徳(という名の「評判」)か直近の成果が悪いかのどちらかであるケースが多く、逆に抜擢人事される人は能力に+α(運も多くあります)があるケースが多いです。いざ昇進した時に周りに納得感が出ないような人事をしたくないという力学は必ず働くので、もしあなたがめでたくご昇進された際は「奢らず謙虚な姿勢」で臨んでいただきたいです。著者は火中の栗だらけで嫌われ役を押し付けられるタイプでしたが、常に上司とその上司が何を考えているのか、またそれを実現するにあたって「いかに自分が補強できるか」を考えて動いていたのですが「上司の上司がどうしたいか」という視点を持つことはとても重要になります(聞いた結果、政略結婚という結論がでたらそれはそういった会社かなと割り切るしかないですが…)。
昇進を目指さない人はどうすれば良いのか
著者は「努力は正しい方向性であれば報われる」と信じているのですが、出世を目指さない人の処世術としては専門性と現場で他に代わりがいないポジションを確保しておくことが重要です。ワークライフバランス重視の方で仕事が嫌いな方でもゲーム感覚で好きになる努力をするというのも大切なのですが、人が嫌と思う仕事や他の人ができない仕事をすることで、自分でペースを保ちつつ現状維持ができるメリットがあります。自動化やBPOの波に抵抗していくというのもありますが、どうせなら波に乗ってしまったほうが良いので「労働生産性を上げる方法」をご参照いただければと思います。部署異動、リストラ、減給、加齢、嫌な仕事を振られることによって体力や意欲の低下がつきまとう可能性があるので、毎年年収が上がる転職ができるような経歴になっているかは必ずチェックしてもらえると良いかと思います。
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以上あなたのキャリア形成の一助になれば幸いです。